健康と生活習慣病予防における時間栄養学の役割

「1. はじめに」脂体温や栄養素の代謝など生体の動的状態を一定に保つホメオスタシスと異なるからだのリズムは, 生物固有の体内時計によって調節されている. からだのリズムは, 移り変わる生活環境の周期的な変化に適応するために自律的な予知機能を備えている. 自然環境の変動に予知応答しているからだのリズムは, 健康・栄養管理だけでなく, 病気の一次予防や重症化予防と治療にも活用されている. 健康管理の守護神であるからだのリズムが一旦形成されると, たとえ急激な環境変化があっても数日間は維持されている. 例えば, 1日ぐらい不規則な生活をしてもからだのリズムは自主管理で守られる仕組みになっている. し...

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Published in脂質栄養学 Vol. 26; no. 1; pp. 35 - 45
Main Authors 加藤, 秀夫, 山田, 和歌子, 花田, 玲子, 出口, 香奈絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2017
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ISSN1343-4594
1883-2237
DOI10.4010/jln.26.35

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Summary:「1. はじめに」脂体温や栄養素の代謝など生体の動的状態を一定に保つホメオスタシスと異なるからだのリズムは, 生物固有の体内時計によって調節されている. からだのリズムは, 移り変わる生活環境の周期的な変化に適応するために自律的な予知機能を備えている. 自然環境の変動に予知応答しているからだのリズムは, 健康・栄養管理だけでなく, 病気の一次予防や重症化予防と治療にも活用されている. 健康管理の守護神であるからだのリズムが一旦形成されると, たとえ急激な環境変化があっても数日間は維持されている. 例えば, 1日ぐらい不規則な生活をしてもからだのリズムは自主管理で守られる仕組みになっている. しかし, 不規則な生活を繰り返していると体調を崩し, 体力・気力だけでなく食べる力も弱くなり, 一次予防で大切な健康力が減少する. 1日3食の規則正しい食生活は, 体調を整える体内時計の維持に重要である.
ISSN:1343-4594
1883-2237
DOI:10.4010/jln.26.35