IPMN診療の最前線

「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍 (intraductal papillary mucinous neoplasm : IPMN) は膵嚢胞の中で最も頻度が高く, 主膵管や分枝膵管の膵管上皮に発生し, 膵管内に乳頭状に発育し, 粘液産生をきたすことで膵管の拡張や多房性嚢胞の形態を呈する腫瘍である. 画像診断の進歩や健康診断や人間ドックの普及などで偶発的に膵嚢胞性病変が発見されることが増えている. またそれらのほとんどが無症状である. 膵嚢胞性病変は年齢とともに増加することが報告されている. IPMNは形態分類で分枝型・主膵管型・混合型の3つに分類される. また組織亜型は胃型・腸型・膵胆道型の3...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 50 - 56
Main Authors 大野, 弘貴, 厚川, 正則, 岩切, 勝彦, 長谷川, 雄太, 新井, 泰央, 北村, 倫香, 糸川, 典夫, 金子, 恵子, 小谷野, 香織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 25.04.2024
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.20.50

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Summary:「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍 (intraductal papillary mucinous neoplasm : IPMN) は膵嚢胞の中で最も頻度が高く, 主膵管や分枝膵管の膵管上皮に発生し, 膵管内に乳頭状に発育し, 粘液産生をきたすことで膵管の拡張や多房性嚢胞の形態を呈する腫瘍である. 画像診断の進歩や健康診断や人間ドックの普及などで偶発的に膵嚢胞性病変が発見されることが増えている. またそれらのほとんどが無症状である. 膵嚢胞性病変は年齢とともに増加することが報告されている. IPMNは形態分類で分枝型・主膵管型・混合型の3つに分類される. また組織亜型は胃型・腸型・膵胆道型の3種類がある. 形態の違いで悪性の頻度の違いがあるため発見された時の分類の診断は重要である. IPMNの主膵管型は悪性度が高く, 分枝型は良性例が多いと言われており, 悪性の頻度は主膵管型で61.6% (36~100%), 分枝型で17.7% (1.4~36.7%) と報告されている.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.20.50