実スケールの雲物理実験と降雨モデルによる雲の微物理過程の考察

著者らは北海道の炭坑にある長大立坑を用いて実スケールの雲物理実験施設を建設してきた. 本論文はこれを用いた雲物理実験の結果を報告するものである. この実験ではビデオカメラにより雲の形成過程を捕らえることができた. また立坑内の気温の鉛直分布の観測により気温減率はある高度を境として2本の直 (曲) 線で表されていることがわかった. このことは本実験立坑内では水蒸気が雲に相変化する際に潜熱が放出されていることを示している. さらに本実験立坑内では水蒸気が不飽和状態においても雲粒に相変化していることが観測された. 次にバルクパラメタリゼーションモデルを用いて本実験条件のもとでの雲の発生シミュレーショ...

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Published in土木学会論文集 Vol. 509; no. 30; pp. 1 - 13
Main Authors 山田 正, 日比野 忠史, 深和 岳人, 松浦 正典, 藤吉 康志, 播磨屋 敏生, 稲毛 正昭, 中津川 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 土木学会 21.02.1995
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ISSN0289-7806
DOI10.2208/jscej.1995.509_1

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Summary:著者らは北海道の炭坑にある長大立坑を用いて実スケールの雲物理実験施設を建設してきた. 本論文はこれを用いた雲物理実験の結果を報告するものである. この実験ではビデオカメラにより雲の形成過程を捕らえることができた. また立坑内の気温の鉛直分布の観測により気温減率はある高度を境として2本の直 (曲) 線で表されていることがわかった. このことは本実験立坑内では水蒸気が雲に相変化する際に潜熱が放出されていることを示している. さらに本実験立坑内では水蒸気が不飽和状態においても雲粒に相変化していることが観測された. 次にバルクパラメタリゼーションモデルを用いて本実験条件のもとでの雲の発生シミュレーションにより観測データの数値検証を行った. この結果, 不飽和において雲が発生することを条件とすることで本実験の結果を再現することができた.
ISSN:0289-7806
DOI:10.2208/jscej.1995.509_1