頭頂葉白質上縦束病変により日本語と英語の混同を呈したバイリンガル失語の1例―機能的MRIおよび拡散テンソル画像を用いた検討

左頭頂葉白質を中心とした脳梗塞により第一言語である日本語と第二言語である英語の混同および音韻性錯語を呈した左利きバイリンガル症例について報告した.症例は日本語および英語のバイリンガルである46歳の左利き女性であった.本症例では発症急性期より理解面は聴覚・視覚のいずれの経路も良好に保たれた一方で,表出面においては日本語発話時に日本語と英語の混同を認めた.拡散テンソル画像の分析から,本例の言語症状の出現には左下頭頂小葉直下の白質線維である上縦束や弓状束の関与が示唆された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 9; pp. 707 - 715
Main Authors 山本, 裕泰, 山本, 正彦, 澤木, 優治, 斉藤, 修, 本村, 和也, 古川, 研治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001706

Cover

More Information
Summary:左頭頂葉白質を中心とした脳梗塞により第一言語である日本語と第二言語である英語の混同および音韻性錯語を呈した左利きバイリンガル症例について報告した.症例は日本語および英語のバイリンガルである46歳の左利き女性であった.本症例では発症急性期より理解面は聴覚・視覚のいずれの経路も良好に保たれた一方で,表出面においては日本語発話時に日本語と英語の混同を認めた.拡散テンソル画像の分析から,本例の言語症状の出現には左下頭頂小葉直下の白質線維である上縦束や弓状束の関与が示唆された.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001706