21.肺原発が疑われた悪性黒色腫の1例(第30回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
肺原発の悪性黒色腫はきわめて稀であり, 今回肺原発と考えられた悪性黒色腫の1例を経験したので報告する. 症例は48歳, 男性. 健康診断の際胸部X線写真にて左肺門部の異常陰影を指摘され精査目的に当科紹介となった. 入院時の胸部CTでは左舌区の腫瘤影とその周囲および右肺野に多発性の小結節影が認められた. 気管支鏡検査では左B4を閉塞する褐色調の腫瘍病変を認めTBLBを施行した. 病理組織では好酸性大型の核小体を有する類円形の異型細胞の増殖が認められ, 腫瘍細胞およびその周囲のマクロファージの胞体にメラニン様顆粒が観察された. 腫瘍細胞は免疫組織学的にS-100, HMB45, vimentin陽...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 6; p. 373 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.29.6_373_3 |
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| Summary: | 肺原発の悪性黒色腫はきわめて稀であり, 今回肺原発と考えられた悪性黒色腫の1例を経験したので報告する. 症例は48歳, 男性. 健康診断の際胸部X線写真にて左肺門部の異常陰影を指摘され精査目的に当科紹介となった. 入院時の胸部CTでは左舌区の腫瘤影とその周囲および右肺野に多発性の小結節影が認められた. 気管支鏡検査では左B4を閉塞する褐色調の腫瘍病変を認めTBLBを施行した. 病理組織では好酸性大型の核小体を有する類円形の異型細胞の増殖が認められ, 腫瘍細胞およびその周囲のマクロファージの胞体にメラニン様顆粒が観察された. 腫瘍細胞は免疫組織学的にS-100, HMB45, vimentin陽性, LCA, keratin, EMAが陰性であり, 以上の所見より悪性黒色腫と診断した. 本症例は腹部CTにて肝臓に転移を疑う所見が認められるものの, 皮膚を含むその他の臓器に原発となる色素性病変がなく, また, その切除既往もないことから肺原発の悪性黒色腫と考えられた. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.29.6_373_3 |