症例4.当初粘膜下腫瘤として捉えられた内視鏡的早期扁平上皮癌の1例(第39回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)
症例は, 76歳男性. 主訴, 胸部異常影, 自覚症状なし. 既往歴に特記すべきものなし. 喫煙歴は13本/日×56年. 家族歴は父親が肺癌. 2007年7月の住民検診にて胸部異常影を指摘され, 8月末日に近医を受診, CTにて左下葉S9に結節を指摘され, 肺癌疑いと診断された. 9月に当院呼吸器外科を紹介され, 末梢の病変の診断のために気管支鏡検査を施行された. 気管支鏡検査時に, 左B6入口部に粘膜発赤と低い隆起性病変を認めた. CTでは同部に異常は認められなかったが, 念のため同部位からのTBNAを行ったところ, class V NSCLC(組織判定困難)と診断された. 末梢の病変はcl...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 5; p. 480 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.5_480 |
Cover
Summary: | 症例は, 76歳男性. 主訴, 胸部異常影, 自覚症状なし. 既往歴に特記すべきものなし. 喫煙歴は13本/日×56年. 家族歴は父親が肺癌. 2007年7月の住民検診にて胸部異常影を指摘され, 8月末日に近医を受診, CTにて左下葉S9に結節を指摘され, 肺癌疑いと診断された. 9月に当院呼吸器外科を紹介され, 末梢の病変の診断のために気管支鏡検査を施行された. 気管支鏡検査時に, 左B6入口部に粘膜発赤と低い隆起性病変を認めた. CTでは同部に異常は認められなかったが, 念のため同部位からのTBNAを行ったところ, class V NSCLC(組織判定困難)と診断された. 末梢の病変はclass Iで当院のCTでは炎症瘢痕と診断され, 経過観察となった. 10月にTBNA再検によりclass V扁平上皮癌と診断された. 内視鏡的治療の適応につき, 大学病院に紹介されたが, 粘膜の生検結果では悪性所見はなく, 粘膜下病変と考えられたため光線力学的治療の適応なしと判断された. 患者希望により経過観察の方針とされたが再検査したところ, 病変部位の増大を認めたため, 2009年3月から胸部外照射40Gy+腔内照射12Gyを実施, その後現在までCRを維持している. 内視鏡的早期肺癌としては珍しい所見であり, 経過を含め報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.5_480 |