51.血清可溶性IL-2受容体の著明な上昇を認めたサルコイドーシスの1例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は, 60歳代, 女性. x年10月中旬から微熱, 咳嗽が出現し近医で抗菌薬処方されるも徐々に増悪. 翌月には安静時呼吸困難が出現し当科紹介. 胸部CTでは両肺野の気管支血管束に沿って広汎に粒状網状影・スリガラス影・浸潤影が混在し, また両側肺門・縦隔リンパ節腫大を認めた. 既往歴にぶどう膜炎が存在していたことなどから, サルコイドーシス(以下, サ症)の可能性も疑って検査を進めた. 血液検査では, 血清ACE, リゾチーム値の高値, またGaシンチグラフィー検査では両肺および右肺門に集積像を認めた. また気管支鏡検査においては粘膜下血管のnetwork formationは認められなかっ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 3; pp. 180 - 181
Main Authors 山地, 康文, 南木, 伸基, 竹内, 洋平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.3_180_4

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Summary:症例は, 60歳代, 女性. x年10月中旬から微熱, 咳嗽が出現し近医で抗菌薬処方されるも徐々に増悪. 翌月には安静時呼吸困難が出現し当科紹介. 胸部CTでは両肺野の気管支血管束に沿って広汎に粒状網状影・スリガラス影・浸潤影が混在し, また両側肺門・縦隔リンパ節腫大を認めた. 既往歴にぶどう膜炎が存在していたことなどから, サルコイドーシス(以下, サ症)の可能性も疑って検査を進めた. 血液検査では, 血清ACE, リゾチーム値の高値, またGaシンチグラフィー検査では両肺および右肺門に集積像を認めた. また気管支鏡検査においては粘膜下血管のnetwork formationは認められなかったものの, BALFではリンパ球とCD4/CD8比の増加を認め, エンドソノプシーを用いた気管分岐下のTBNB組織所見で, 類上皮細胞からなる非乾酪性肉芽腫を認めた. 皮膚生検からも同様の所見が認められ, 以上よりサ症と診断し, ステロイドの投与を開始し臨床症状, 血液検査, 画像検査結果の改善が認められた. 本例では非リンパ腫疾患にもかかわらず血清可溶性IL-2受容体(以下, sIL-2R)が6,140U/mlと異常高値であったが, サ症の病勢が軽快するのに伴いその値が低下した. 近年, 血清sIL-2RおよびIL-6値が本疾患の活動性の指標および治療効果判定の指標となりうるといった報告がなされており, 今回若干の文献的考察を加え報告したい.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.3_180_4