1.バスケット鉗子で除去した気道異物の2例(第33回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
【症例1】78歳, 男性. 肺非結核性抗酸菌症治療後, 肺気腫にて外来通院中であった. 2008年5月中旬夕食中に急に呼吸困難が出現した. 低酸素血症を認め, CTにて右下葉気管支に気道異物を疑われた. 酸素4l吸入下にSpO2 95%, 本人は食事中に豆で咳きこんだ記憶があった. 5月下旬気管支鏡を施行, 右底幹に嵌頓する表面平滑で球状の異物を認めた. 把持鉗子では異物の一部がくずれ摘除不能であった. バスケット鉗子を異物より末梢に挿入し牽引したところ, 異物が中枢側まで移動した. これをバスケットに収納して, 内視鏡ごと除去した. 異物はエンドウ豆であった. 【症例2】81歳, 女性. 右...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; p. 547 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.32.6_547_1 |
Cover
| Summary: | 【症例1】78歳, 男性. 肺非結核性抗酸菌症治療後, 肺気腫にて外来通院中であった. 2008年5月中旬夕食中に急に呼吸困難が出現した. 低酸素血症を認め, CTにて右下葉気管支に気道異物を疑われた. 酸素4l吸入下にSpO2 95%, 本人は食事中に豆で咳きこんだ記憶があった. 5月下旬気管支鏡を施行, 右底幹に嵌頓する表面平滑で球状の異物を認めた. 把持鉗子では異物の一部がくずれ摘除不能であった. バスケット鉗子を異物より末梢に挿入し牽引したところ, 異物が中枢側まで移動した. これをバスケットに収納して, 内視鏡ごと除去した. 異物はエンドウ豆であった. 【症例2】81歳, 女性. 右肺結核後遺症, 認知症にて老健施設入所中であった. 2009年1月下旬, 16時すぎ突然に呼吸不全状態となり救急搬送された. 意志疎通が困難なため誤嚥は確認できなかった. 胸部CTを撮影中に呼吸停止を来し気管内挿管された. 左気道異物が確認されたため, 挿管チューブより気管支鏡を施行し, 左主気管支に義歯の嵌頓を認めた. 把持鉗子や爪鉗子では表面が滑って把持不能のためバスケット鉗子を挿入, 異物をバスケットに収納し内視鏡, 挿管チューブごと抜去した. その後呼吸状態は改善した. 破損した義歯を誤嚥していた. 2例ともにバスケット鉗子が異物除去に有用であった. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.32.6_547_1 |