4.外傷性左主気管支断裂の1治験例 : 術後狭窄に対するZステント挿入後,長期経過観察し得た1例(第79回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会,支部会(記録))

症例は28歳女性. バイク走行中にトラックと接触し転倒した. 多発肋骨骨折と左血気胸を認めドレナージを開始したが, 左下葉無気肺が改善しないため, 気管支鏡, CT施行したところ左主気管支膜様部の損傷を認めた. 受傷10日目に開胸下に修復を試みたところ, 左主気管支は長さ1.5cmに渡り挫滅し, 完全に断裂していたため挫滅部を切除後, 左主気管支端々吻合, 肺挫傷修復, 血腫除去を行った. 術直後の吻合部は開存していたが術後2日目に左完全無気肺となったため, 再度気管支鏡を施行したところ, 気管軟骨の内腔への逸脱による閉塞を認めた. 除去を試みたが出血のため断念し, 左肺上葉機能温存のため,...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 5; p. 394
Main Authors 土屋, 恭子, 高橋, 鮎子, 大迫, 努, 菅, 理晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.5_394_4

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Summary:症例は28歳女性. バイク走行中にトラックと接触し転倒した. 多発肋骨骨折と左血気胸を認めドレナージを開始したが, 左下葉無気肺が改善しないため, 気管支鏡, CT施行したところ左主気管支膜様部の損傷を認めた. 受傷10日目に開胸下に修復を試みたところ, 左主気管支は長さ1.5cmに渡り挫滅し, 完全に断裂していたため挫滅部を切除後, 左主気管支端々吻合, 肺挫傷修復, 血腫除去を行った. 術直後の吻合部は開存していたが術後2日目に左完全無気肺となったため, 再度気管支鏡を施行したところ, 気管軟骨の内腔への逸脱による閉塞を認めた. 除去を試みたが出血のため断念し, 左肺上葉機能温存のため, 左主気管支から左下葉枝口にかけZステントを挿入した. その後無気肺は消失し術後17日目に退院した. 外来で定期的な気管支鏡下の観察を行っているが, 受傷後3年の現在, 肉芽による再狭窄やステントの破損は認めていない.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.5_394_4