14.壁側胸膜原発の孤立性線維性腫瘍の1例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)
孤立性線維性腫瘍(Solitary fibrous tumor;以下, SFT)は比較的稀な腫瘍で, 胸膜に発生することが最も多い. 浸潤や転移が少なく緩徐に巨大化し, また局所再発することでも知られている. 症例は30歳代の男性. 胸部CTにて右S8胸膜直下に胸腔内に突出する境界明瞭, 辺縁整, extrapleural sign陽性の凸レンズ状の約27×20mm大の腫瘤陰影を認めた. また, 胸部造影MRIでは, 比較的均一な増強効果が認められT1W1では低信号, 脂肪抑制T2W1ではやや高信号を呈していた. 胸膜腫瘍を疑い, 胸腔鏡下胸膜腫瘍切除術を施行したところ, 腫瘍は壁側胸膜より茎...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 3; p. 172 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.31.3_172_3 |
Cover
| Summary: | 孤立性線維性腫瘍(Solitary fibrous tumor;以下, SFT)は比較的稀な腫瘍で, 胸膜に発生することが最も多い. 浸潤や転移が少なく緩徐に巨大化し, また局所再発することでも知られている. 症例は30歳代の男性. 胸部CTにて右S8胸膜直下に胸腔内に突出する境界明瞭, 辺縁整, extrapleural sign陽性の凸レンズ状の約27×20mm大の腫瘤陰影を認めた. また, 胸部造影MRIでは, 比較的均一な増強効果が認められT1W1では低信号, 脂肪抑制T2W1ではやや高信号を呈していた. 胸膜腫瘍を疑い, 胸腔鏡下胸膜腫瘍切除術を施行したところ, 腫瘍は壁側胸膜より茎状に発生しており, 肺, 肋骨および肋間筋に明らかな浸潤の所見は認められなかった. 病理組織学的所見では, 膠原繊維成分や間の小血管を交え, 紡錘型腫瘍細胞の錯綜増生を認める充実性腫瘍で, 免疫染色ではCD34(+), Vimentin(+), S-100(-), aSMA(-), Desmine(-)であった. 以上より, 壁側胸膜原発のSFTと診断した. 術後1年経過現在, 再発を認めていない. SFTは, 胸部画像上は, 原発性肺癌などとの鑑別が困難なことも多い. 今回我々は, 胸腔鏡下手術にて診断, 切除した壁側胸膜に発生したSFTの1例を経験したため, 若干の文献的考察を加え報告する. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.31.3_172_3 |