気管支鏡検査時の動脈血酸素飽和度とアンケートによる自覚症状の検討
気管支鏡(BF)検査のより安全な施行方法を検討するため検査時, 動脈血酸素飽和度(SaO_2)を測定しアンケートによる自覚症状と比較した。本院でBF検査をうけた22例(男14, 女8, 平均年齢54歳)に対し検査時, 心電図をモニター記録し, 同時にパルスオキシメーターによりSaO_2を測定した。検査終了後, 患者自身の記入により10cmのAnalogue Scaleを用い呼吸困難, 咳, 疼痛につき評価した。SaO_2の最低値は平均86%にまで低下した。自覚症状としては咳が5.0±0.6cm(mean±S.E.)と最も大きい値を示した。SaO_2の最低値が90%未満の群(A群)と90%以上の...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 16; no. 4; pp. 342 - 346 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1994
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.16.4_342 |
Cover
| Summary: | 気管支鏡(BF)検査のより安全な施行方法を検討するため検査時, 動脈血酸素飽和度(SaO_2)を測定しアンケートによる自覚症状と比較した。本院でBF検査をうけた22例(男14, 女8, 平均年齢54歳)に対し検査時, 心電図をモニター記録し, 同時にパルスオキシメーターによりSaO_2を測定した。検査終了後, 患者自身の記入により10cmのAnalogue Scaleを用い呼吸困難, 咳, 疼痛につき評価した。SaO_2の最低値は平均86%にまで低下した。自覚症状としては咳が5.0±0.6cm(mean±S.E.)と最も大きい値を示した。SaO_2の最低値が90%未満の群(A群)と90%以上の群(B群)に分けるとA群の呼吸困難の程度が有意に強かったが, 咳, 疼痛の程度には有意差を認めず, 呼吸困難感を除き, 自覚症状とSaO_2との関連は低いと考えられた。従ってパルスオキシメーターを用いSaO_2をモニタリングすることにより, 患者の呼吸困難感の把握も可能となり, 安全に検査が施行できると考えられた。 |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.16.4_342 |