潜在的パターン知覚に優れるサッカー選手は状況を情動的に処理しているのか

「I 緒言」サッカーやバスケットボールのようなオープンスキル型の競技では, ドリブルやパスを巧みに行う運動技能に加え, 変化する周囲の状況に応じてそれらを適切に選択する意思決定も必要である(Hughes, 1980). 実際に, 熟練選手は未熟練選手と比較して, 素早く正確な意思決定が可能であることが多数の研究で報告されている(e.g., Helsen and Pauwels, 1988, 1992; McMorris and Beazeley, 1997; 夏原ほか, 2015; Vaeyens et al., 2007). そのため, 優れた意思決定を実現する選手がどのような心理的要因を発...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 48; no. 1; pp. 1 - 12
Main Authors 幾留, 沙智, 中本, 浩揮, 亀井, 誠生, 森, 司朗, 村川, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 31.03.2021
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ISSN0388-7014
1883-6410
DOI10.4146/jjspopsy.2020-2008

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Summary:「I 緒言」サッカーやバスケットボールのようなオープンスキル型の競技では, ドリブルやパスを巧みに行う運動技能に加え, 変化する周囲の状況に応じてそれらを適切に選択する意思決定も必要である(Hughes, 1980). 実際に, 熟練選手は未熟練選手と比較して, 素早く正確な意思決定が可能であることが多数の研究で報告されている(e.g., Helsen and Pauwels, 1988, 1992; McMorris and Beazeley, 1997; 夏原ほか, 2015; Vaeyens et al., 2007). そのため, 優れた意思決定を実現する選手がどのような心理的要因を発達させているかについても数々の検討がなされ, 意思決定能力の高低を説明する要因としてパターン知覚が注目を集めている(van Maarseveen et al., 2015; 村川ほか, 2020; North et al., 2017). パターン知覚とは, 視野内の個々の情報を意味のあるパターンとして記銘・想起する知覚方略を指す(North and Williams, 2019).
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2020-2008