当院脳卒中センターにおけるSCUの現状

「はじめに」脳卒中の初期治療を脳卒中専門病棟と専任の脳卒中チームからなるStroke Unit(SU)で行えば, 死亡率が3%減り, 自宅復帰率が3%上昇し, 自立して生活できる患者の率が6%増加する. この事実は1990年以降, 欧州を中心に行われた臨床研究, あるいはStroke unit Trialists' Collaborationによるメタ解析によって証明された1)2). その結果, 欧州各地でSUが設置され, 脳卒中診療体制が整備されつつある. 米国では1995年に, 遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA):アルテプラーゼを用いた脳梗塞に対する血栓...

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Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 31; no. 6; pp. 461 - 466
Main Author 中川原, 譲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2009
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.31.461

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Summary:「はじめに」脳卒中の初期治療を脳卒中専門病棟と専任の脳卒中チームからなるStroke Unit(SU)で行えば, 死亡率が3%減り, 自宅復帰率が3%上昇し, 自立して生活できる患者の率が6%増加する. この事実は1990年以降, 欧州を中心に行われた臨床研究, あるいはStroke unit Trialists' Collaborationによるメタ解析によって証明された1)2). その結果, 欧州各地でSUが設置され, 脳卒中診療体制が整備されつつある. 米国では1995年に, 遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA):アルテプラーゼを用いた脳梗塞に対する血栓溶解療法の有効性と安全性が確立して以来3), 脳卒中センターの整備が急速に進められた. 2000年には米国ブレインアタック連合が1次脳卒中センターの備えるべき条件を明らかにし4), SUは必須条件であるとして, 米国でもその普及と診療の質的向上が図られつつある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.31.461