ドック受診者における睡眠時無呼吸検査の成績と問診所見の比較
目的:ドック受診者を対象に閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)の簡易測定を実施し,その頻度を調査した。また,問診所見について,その有効性を見た。方法:一泊ドック受診者の男性207名,年齢は30から76歳,平均53.1歳である。この群を対象に「オートセットポータブルII」(帝人)によるOSASの簡易測定を実施した。結果:Apnea hyponea index(AHI)の5未満を正常とすると76.7%,10未満では50.0%が異常であった。軽症以上の異常は50.0%,中等症以上は16.0%,重症以上は6.8%であった。問診とAHIの...
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| Published in | 健康医学 Vol. 19; no. 3; pp. 409 - 413 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2004
日本人間ドック学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-0328 2186-5019 |
| DOI | 10.11320/ningendock1986.19.409 |
Cover
| Summary: | 目的:ドック受診者を対象に閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)の簡易測定を実施し,その頻度を調査した。また,問診所見について,その有効性を見た。方法:一泊ドック受診者の男性207名,年齢は30から76歳,平均53.1歳である。この群を対象に「オートセットポータブルII」(帝人)によるOSASの簡易測定を実施した。結果:Apnea hyponea index(AHI)の5未満を正常とすると76.7%,10未満では50.0%が異常であった。軽症以上の異常は50.0%,中等症以上は16.0%,重症以上は6.8%であった。問診とAHIの判定結果では,AHI10以上の異常者が有意に高い比率を占めたのは,毎日いびきをかく,睡眠中に息が止まるなどの4項目であった。AHIとepworthsleepiness scale(ESS)診断法との関係を見ると,ESS11点以上の異常者の頻度は3.5%と極端に少なかった。結論:ドック受診者で治療の対象となるAHIが30以上の重症が6.8%と予想以上の高率であった。異常者が高率であることは,どこまでが正常かさらに検討を要すると思われる。問診で「睡眠中に息が止まると言われた事がある」と答えたのは,AHI10以上の異常者で35名(34%),正常者でも9名(9%)であった。ESS診断法では眠気を自覚していない傾向が推察されるので,実施方法,正常範囲の設定などについてさらに検討を要す。問診やESS診断法によりsleep disorderdbreathing(SDB)の予測は不十分で,少なくとも簡易測定は必須と考える。 |
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| ISSN: | 0914-0328 2186-5019 |
| DOI: | 10.11320/ningendock1986.19.409 |