医学教育の輸出入と新植民地主義

「・医学教育理論は, グローバルになり得ているか」異論反論はあろうが, 概してグローバル化の現代, 実に多くの欧米の医学教育情報がいとも簡単に入手可能となった. そして瞬く間に, 医学教育の理論や学習・評価方法が日本中に広がった. 問題基盤型学習(Problem Based Learning:PBL)や, 客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination:OSCE)は, 医学部においてほぼ市民権を得たと言えるし, そもそも週数の問題ではないのだが“72週問題”と呼ばれる参加型臨床実習(Clinical Clerkship)も, 将来はより学...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医学教育 Vol. 43; no. 6; pp. 429 - 431
Main Author 西城, 卓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 2012
Online AccessGet full text
ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan.43.429

Cover

More Information
Summary:「・医学教育理論は, グローバルになり得ているか」異論反論はあろうが, 概してグローバル化の現代, 実に多くの欧米の医学教育情報がいとも簡単に入手可能となった. そして瞬く間に, 医学教育の理論や学習・評価方法が日本中に広がった. 問題基盤型学習(Problem Based Learning:PBL)や, 客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination:OSCE)は, 医学部においてほぼ市民権を得たと言えるし, そもそも週数の問題ではないのだが“72週問題”と呼ばれる参加型臨床実習(Clinical Clerkship)も, 将来はより学生が参加する形式に変革するのだろう. 近代の医学教育の歴史を顧みれば, 我が国の医学教育がこれだけの発展を見せているのは, まぎれもなく昭和48年に豪州シドニーにて, WHO西太平洋地域医療従事者訓練センターの第1回医学教育に関するワークショップに参加された館正知先生, 牛場大臓先生, 日野原重明先生が, 医学教育の礎となる情報を持ち帰られ, 教育マインドを有する医師を勇気づけたからに他ならない.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan.43.429