骨化を伴った脊髄髄膜腫の1症例
「はじめに」脊髄髄膜腫がpsammoma bodyなどの石灰化を伴うことはしばしば見られる組織学的所見である. しかし, 硬膜から離れた腫瘍内に骨化を伴うことは稀である. 今回我々は腫瘍内に大きな2つの骨化巣を含んだ脊髄髄膜腫の1症例を経験したので報告する. 症例 (症例) 71歳女性 (主訴) 腰痛 (既往歴) 発作性心房細動, 狭心症, 高血圧, 高脂血症 (現病歴) 15-16年前から腰痛を自覚し始め, 近医を受診したこともあったが疼痛は軽減せず通院は中断していた. 平成16年6月初旬から特に誘因なく腰痛が増悪し, 夜間痛のため睡眠障害をきたすようになった. 疼痛は仰臥位から座位, 座位...
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          | Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 2; pp. 250 - 254 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            西日本整形・災害外科学会
    
        2006
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0037-1033 1349-4333  | 
| DOI | 10.5035/nishiseisai.55.250 | 
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| Summary: | 「はじめに」脊髄髄膜腫がpsammoma bodyなどの石灰化を伴うことはしばしば見られる組織学的所見である. しかし, 硬膜から離れた腫瘍内に骨化を伴うことは稀である. 今回我々は腫瘍内に大きな2つの骨化巣を含んだ脊髄髄膜腫の1症例を経験したので報告する. 症例 (症例) 71歳女性 (主訴) 腰痛 (既往歴) 発作性心房細動, 狭心症, 高血圧, 高脂血症 (現病歴) 15-16年前から腰痛を自覚し始め, 近医を受診したこともあったが疼痛は軽減せず通院は中断していた. 平成16年6月初旬から特に誘因なく腰痛が増悪し, 夜間痛のため睡眠障害をきたすようになった. 疼痛は仰臥位から座位, 座位から立位, といった体位変換で軽快していたが, 徐々に増悪し体動困難となり, 救急車で当院救急部に搬送された. 緊急に行った腹部CTにて胸腰椎移行部の脊柱管内に卵円形のhigh densityな腫瘍像を認めたため入院となった. (入院時現症) 歩行は不能であり, 介助で車椅子移動の状態であった. 下位腰椎に圧痛と叩打痛を認め, くしゃみをすると腰背部に激痛を訴えた. | 
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| ISSN: | 0037-1033 1349-4333  | 
| DOI: | 10.5035/nishiseisai.55.250 |