上腕骨頭外反陥入骨折の治療経験

「はじめに」上腕骨近位端骨折は日常診療で散見される骨折である. その中で骨頭が外反 陥入した形態をとる骨折も希ではない. この骨折は4-part骨折であっても, 全例に初回手術で人工骨頭置換が必要ということはない, と過去の論文で報告されている4,5). しかし, その骨折の程度に応じ, 容易に治療法が選択可能な分類は我々が調査した範囲ではない. 我々は上腕骨頭外反陥入骨折例8例を経験し, そのうち6例に骨接合術を行った. その分類及び治療法について若干の考察を加え報告する. 1. 対象症例 症例は1999年11月以降の経験した上腕骨頭外反陥入骨折8例. 性別は男性1例, 女性7例, 年齢40...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 1; pp. 180 - 184
Main Authors 菊川, 憲志, 森澤, 佳三, 瀬形, 建喜, 平野, 真子, 國武, 克彦, 原田, 正孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.180

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Summary:「はじめに」上腕骨近位端骨折は日常診療で散見される骨折である. その中で骨頭が外反 陥入した形態をとる骨折も希ではない. この骨折は4-part骨折であっても, 全例に初回手術で人工骨頭置換が必要ということはない, と過去の論文で報告されている4,5). しかし, その骨折の程度に応じ, 容易に治療法が選択可能な分類は我々が調査した範囲ではない. 我々は上腕骨頭外反陥入骨折例8例を経験し, そのうち6例に骨接合術を行った. その分類及び治療法について若干の考察を加え報告する. 1. 対象症例 症例は1999年11月以降の経験した上腕骨頭外反陥入骨折8例. 性別は男性1例, 女性7例, 年齢40-78歳(平均62.9歳)であった. 受傷原因は歩行中転倒が6例で, 交通外傷 自転車からの転倒が各1例であった II. 治療法 心疾患のため手術不能であった1例を除いた7例に手術を行った. 手術法は骨接合術6例, 人工骨頭置換術1例であった. 手術法を示す. deltopectoral approachで進入し, 骨折周囲軟部組織を可及的に温存し, 直視下にbone punchで周囲の良好な海綿骨を骨頭骨片へ圧入するよう, 骨頭部を持ち上げながら整復した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.180