不安定型大腿骨転子部骨折に対する DHS を用いた治療戦略
「はじめに」不安定型大腿骨転子部骨折1)(大転子 小転子それぞれへ骨折線が及ぶ, いわゆる4-Part骨折)の治療においては, その不安定性により術後早期の荷重 離床が困難で, 後療法を遅らせるなど苦慮する症例が多い. 当科では, スライディング長が10mm以内で, 荷重を2週間以内に開始することを目標に治療にあたっている. 前回我々は, MATHYS社製Dynamic Hip Screw(以下DHS)にそのオプションであるTrochenter Stabilizing Plate(以下TP)を2003年5月より併用し, Evans分類Type I Grade 3(以下Evans 3)までの有用...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 2; pp. 132 - 134 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2006
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.55.132 |
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Summary: | 「はじめに」不安定型大腿骨転子部骨折1)(大転子 小転子それぞれへ骨折線が及ぶ, いわゆる4-Part骨折)の治療においては, その不安定性により術後早期の荷重 離床が困難で, 後療法を遅らせるなど苦慮する症例が多い. 当科では, スライディング長が10mm以内で, 荷重を2週間以内に開始することを目標に治療にあたっている. 前回我々は, MATHYS社製Dynamic Hip Screw(以下DHS)にそのオプションであるTrochenter Stabilizing Plate(以下TP)を2003年5月より併用し, Evans分類Type I Grade 3(以下Evans 3)までの有用性とEvans分類Type I Grade 4(以下Evans 4)の限界について報告した5). その中で, Evans 4に対し, 内側骨皮質 小転子を積極的にスクリュー ワイヤー等で固定し, TPを併用したが, スライディングを抑制することが困難な症例が存在し, 結果として, リハビリテーションの期間が延長したことを述べた. 今回我々は, これをふまえ2004年5月より, DHSにTPおよび回旋防止に, Cannulated Cancellous Screw(以下CCS)を使用し, 内側骨皮質 小転子を, 無理に整復 固定せず, 骨欠損に対し, 骨補填材β-TCPを使用する治療方針に変更した. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.55.132 |