術中神経モニタリング

「1. はじめに」術中神経モニタリングは, 1980年代後半に聴神経腫瘍摘出術を中心に顔面神経や聴力の機能保存を目的に発展してきた. 現在では顔面神経や蝸牛神経に限らず, 多くの脳神経においてモニタリングが可能になっている. ここでは, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の手術において頻用されている顔面神経と反回神経の術中モニタリングを中心に解説する. 「2. 目的と原理」術中神経モニタリングは, 腫瘍近傍に存在する神経を探索し, 実際にそれが神経であることを同定・確認することで, 神経機能を温存し手術を安全に遂行するための手術支援機器である. 神経を刺激する電極にはモノポーラプローブ(単極)とバイポ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 8; pp. 1142 - 1143
Main Author 村上, 信五
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2014
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.117.1142

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Summary:「1. はじめに」術中神経モニタリングは, 1980年代後半に聴神経腫瘍摘出術を中心に顔面神経や聴力の機能保存を目的に発展してきた. 現在では顔面神経や蝸牛神経に限らず, 多くの脳神経においてモニタリングが可能になっている. ここでは, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の手術において頻用されている顔面神経と反回神経の術中モニタリングを中心に解説する. 「2. 目的と原理」術中神経モニタリングは, 腫瘍近傍に存在する神経を探索し, 実際にそれが神経であることを同定・確認することで, 神経機能を温存し手術を安全に遂行するための手術支援機器である. 神経を刺激する電極にはモノポーラプローブ(単極)とバイポーラプローブ(双極)がある. モノポーラプローブは電流が同心円状に広がるため神経と腫瘍との距離や位置関係(location)を知るのに有用であるが, 電流が滑走したり, 周囲に血液や浸出液がある場合には減弱されるため, 神経の同定(identification)においてはやや正確性が劣る.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.117.1142