乳癌脊椎転移手術例の検討
「目的」転移性脊椎腫瘍に対する治療目標は, 適切な予後予測とそれに基づいた治療法の選択により患者のQOLの回復と維持を図ることである. 近年, 徳橋や富田らにより転移性脊椎腫瘍の予後予測判定法が提唱され, また, インストルメンテーションや脊椎全摘術などの治療手段が進歩したことにより転移性脊椎腫瘍に対しても手術療法が積極的に選択されるようになった. なかでも, 乳癌の脊椎転移は若年発症が多く, 生命予後も良好なことから手術療法が果たす役割は大きいと考えられる. そこで, 当科で施行した乳癌脊椎転移例の手術成績を調査し, 手術適応について検討した. 対象1989年以降, 当院および関連病院で乳癌...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 777 - 783 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.53.777 |
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Summary: | 「目的」転移性脊椎腫瘍に対する治療目標は, 適切な予後予測とそれに基づいた治療法の選択により患者のQOLの回復と維持を図ることである. 近年, 徳橋や富田らにより転移性脊椎腫瘍の予後予測判定法が提唱され, また, インストルメンテーションや脊椎全摘術などの治療手段が進歩したことにより転移性脊椎腫瘍に対しても手術療法が積極的に選択されるようになった. なかでも, 乳癌の脊椎転移は若年発症が多く, 生命予後も良好なことから手術療法が果たす役割は大きいと考えられる. そこで, 当科で施行した乳癌脊椎転移例の手術成績を調査し, 手術適応について検討した. 対象1989年以降, 当院および関連病院で乳癌脊椎転移に対し手術を施行した15例を対象とした. 全例女性で手術時年齢は29-72歳(平均51.4歳)であった. 手術時主要臓器転移を4例に認め, 内訳は脳1例, 肺2例, 肝1例であった. 1例を除く14例に乳癌に対する手術既往があり, 乳癌手術から脊椎転移に対する手術までの期間は1年3カ月-11年10カ月(平均4年7カ月)であった. 責任病巣は頚椎2例, 頚 胸椎1例(非連続性の2カ所), 胸椎8例, 胸 腰椎1例(非連続性の2カ所), 腰椎3例であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.777 |