音声障害評価法

音声障害の評価には種々の検査法があり, 詳細は日本音声言語医学会編「新編声の検査法」に譲るが, 耳鼻咽喉科専門医として知っておくべき事項について解説する. 「1. 声帯振動の検査:喉頭ストロボスコピー」声帯は1秒間に100~200回, 歌手においては800回程度まで振動するので, 裸眼による声帯振動の観察は不可能である. 声帯振動の実像を見るには毎秒4,000コマ以上の超高速度デジタル画像撮影が必要であるが, 日常臨床での使用はほぼ不可能であり, より簡便な喉頭ストロボスコピーが用いられる. 喉頭ストロボスコピーでは, 声帯振動の周期をわずかにずらした時間間隔でストロボ発光することで, 異なる...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 5; pp. 752 - 753
Main Author 平野, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.2017
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.120.752

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Summary:音声障害の評価には種々の検査法があり, 詳細は日本音声言語医学会編「新編声の検査法」に譲るが, 耳鼻咽喉科専門医として知っておくべき事項について解説する. 「1. 声帯振動の検査:喉頭ストロボスコピー」声帯は1秒間に100~200回, 歌手においては800回程度まで振動するので, 裸眼による声帯振動の観察は不可能である. 声帯振動の実像を見るには毎秒4,000コマ以上の超高速度デジタル画像撮影が必要であるが, 日常臨床での使用はほぼ不可能であり, より簡便な喉頭ストロボスコピーが用いられる. 喉頭ストロボスコピーでは, 声帯振動の周期をわずかにずらした時間間隔でストロボ発光することで, 異なる位相での画像をとり, これをつなぎ合わせることであたかもスローモーションのような形で声帯振動の再構成を行うものである. 声帯の硬化性病変のように周期性のない声帯疾患では検査不能であるが, 多くの疾患はこれで検査可能である.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.120.752