鎖骨体部骨折に対する経皮的ピンニング法の工夫

「はじめに」鎖骨体部骨折は保存的治療で治癒可能なことは周知であるが, 早期骨癒合, 早期社会復帰という点で, 経皮的ピンニング法は有用であり1)当院では転位を伴う鎖骨体部骨折に対し, 原則的に最小侵襲手術であるKirschner wire(以下K-wire)1本による経皮的ピンニング法を実施してきた. しかし, 術後に転位を伴うK-wireの脱転を生じる症例があり, 再打ち込みや再手術が必要となる症例があり, その脱転防止策を模索してきた. われわれは脱転防止の工夫として, しなりのある径の細いK-wire(主に径1.8mm)を2本用い, K-wireをしならせることで, 弯曲のある鎖骨髄内を...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 3; pp. 528 - 530
Main Authors 今井, 一彦, 浜脇, 純一, 森寺, 邦晃, 重野, 陽一, 畠山, 英嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.528

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Summary:「はじめに」鎖骨体部骨折は保存的治療で治癒可能なことは周知であるが, 早期骨癒合, 早期社会復帰という点で, 経皮的ピンニング法は有用であり1)当院では転位を伴う鎖骨体部骨折に対し, 原則的に最小侵襲手術であるKirschner wire(以下K-wire)1本による経皮的ピンニング法を実施してきた. しかし, 術後に転位を伴うK-wireの脱転を生じる症例があり, 再打ち込みや再手術が必要となる症例があり, その脱転防止策を模索してきた. われわれは脱転防止の工夫として, しなりのある径の細いK-wire(主に径1.8mm)を2本用い, K-wireをしならせることで, 弯曲のある鎖骨髄内を滑らせ, 骨折部よりできるだけ遠くの骨皮質を貫通させられるようにした. これらの症例をK-wire1本用いた症例と比較し考察を加えた. 対象および方法 1997年1月から2002年6月までの5年6ヶ月間で, 転位を伴う鎖骨体部骨折に対して経皮的ピンニング法を行った140例のうちK-wire1本を使用した群(以後S群)は100例, 2本使用した群(以後D群)は40例であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.528