抗菌薬の皮膚反応テスト添付文書の比較検討

抗菌薬の添付文書には, 重要な基本的注意事項として「ショックが現れる恐れがあるので, 十分な問診を行うこと. なお, 事前に皮膚反応を実施することが望ましい. 」と記載されている. そのため, 抗菌薬の静脈内投与を行う際に, 微量の当該薬剤を含む皮膚反応テスト液を用いて皮内反応が行われている1). このテストは, アレルギーによる副反応をできうる限り予知し, 重篤な副作用の発現を避けるために行われている. 抗菌薬の中のセフェム系, ペニシリン系及びカルバペネム系の先発品及び後発品を含むすべての静注用製品は, 製造者より皮膚反応テスト, キット(以後キットと省略)が供給されている. その理由は,...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 123; no. 4; pp. 261 - 266
Main Authors 横山, 隆, 木平, 健治, 佐藤, 英治, 池田, 博昭, 木村, 康浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.04.2003
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.123.261

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Summary:抗菌薬の添付文書には, 重要な基本的注意事項として「ショックが現れる恐れがあるので, 十分な問診を行うこと. なお, 事前に皮膚反応を実施することが望ましい. 」と記載されている. そのため, 抗菌薬の静脈内投与を行う際に, 微量の当該薬剤を含む皮膚反応テスト液を用いて皮内反応が行われている1). このテストは, アレルギーによる副反応をできうる限り予知し, 重篤な副作用の発現を避けるために行われている. 抗菌薬の中のセフェム系, ペニシリン系及びカルバペネム系の先発品及び後発品を含むすべての静注用製品は, 製造者より皮膚反応テスト, キット(以後キットと省略)が供給されている. その理由は, 昭和31年に医務局長より通知が行われ, 抗菌薬の使用前の注意として「問診, 皮膚反応テストを行うことが望ましい. 」とされ, 添付文書はこの通知に従っているのが原因と思われる2). これらのことから, 簡易的に皮膚反応テストを行うキットは, 抗菌薬の製造者から製品とは別に無償で供給されている場合が多い.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.123.261