小児期上腕骨外顆骨折後に変形を来し80年経過した,上腕骨遠位骨幹部骨折に対して手術加療した1例

【症例】84歳男性.農作業中に転倒,左肘を打撲した.単純レントゲン像で左上腕骨遠位骨幹部骨折あり,小児期上腕骨外顆骨折後の変形が著明であった.手術では,直視下に骨折部を整復,プレート固定し,術中X線透視画像下で屈伸時摺動面の不適合を認めなかった.術後3日目よりシーネ除去し自動屈伸を開始した.【考察】小児期骨折後変形,腕尺関節脱臼あり,可動方向の限定はあったが生活に支障はなかった.機能回復を目指すために受傷前の変形を推察,受傷前の関節摺動面を考慮し整復,骨接合術を行なった.正常解剖を参考にした整復が困難であっても,機能回復を目指すために変形を推察し,受傷前の関節摺動面を考慮した治療,機能的整復を...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 516 - 519
Main Authors 田口, 憲士, 金山, 周史, 西野, 雄一朗, 宮本, 俊之, 森, 圭介, 尾﨑, 誠, 向井, 順哉, 土居, 満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.516

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Summary:【症例】84歳男性.農作業中に転倒,左肘を打撲した.単純レントゲン像で左上腕骨遠位骨幹部骨折あり,小児期上腕骨外顆骨折後の変形が著明であった.手術では,直視下に骨折部を整復,プレート固定し,術中X線透視画像下で屈伸時摺動面の不適合を認めなかった.術後3日目よりシーネ除去し自動屈伸を開始した.【考察】小児期骨折後変形,腕尺関節脱臼あり,可動方向の限定はあったが生活に支障はなかった.機能回復を目指すために受傷前の変形を推察,受傷前の関節摺動面を考慮し整復,骨接合術を行なった.正常解剖を参考にした整復が困難であっても,機能回復を目指すために変形を推察し,受傷前の関節摺動面を考慮した治療,機能的整復を行うことが必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.516