臀部Epidermal cystより発生した扁平上皮癌の1例

臀部のEpidermal cystに扁平上皮癌の発生をみた1例を経験したので報告する.63歳男性.4年前より左臀部に小腫瘤を自覚.徐々に増大し4か月前より発赤・疼痛が出現.一部が自壊し,浸出液を認めたため近医を受診.感染性粉瘤の疑いであったが,腫瘤のサイズが大きく精査のため当院整形外科紹介となった.腫瘤は,MRIにて壁の肥厚した嚢胞の内部に浸出液を認め,周囲には炎症がみられた.壁の肥厚部位の悪性化を確認するため針生検を施行するも,結果はInfectious epidermal cystであった.後日辺縁切除施行.病理組織では,Epidermal cystの嚢胞内壁より扁平上皮癌が発生している所...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 4; pp. 673 - 676
Main Authors 濱田, 哲矢, 大島, 孝一, 庄田, 孝則, 松田, 光太郎, 平岡, 弘二, 原口, 敏昭, 志波, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.673

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Summary:臀部のEpidermal cystに扁平上皮癌の発生をみた1例を経験したので報告する.63歳男性.4年前より左臀部に小腫瘤を自覚.徐々に増大し4か月前より発赤・疼痛が出現.一部が自壊し,浸出液を認めたため近医を受診.感染性粉瘤の疑いであったが,腫瘤のサイズが大きく精査のため当院整形外科紹介となった.腫瘤は,MRIにて壁の肥厚した嚢胞の内部に浸出液を認め,周囲には炎症がみられた.壁の肥厚部位の悪性化を確認するため針生検を施行するも,結果はInfectious epidermal cystであった.後日辺縁切除施行.病理組織では,Epidermal cystの嚢胞内壁より扁平上皮癌が発生している所見を認めた.直ちに追加広範切除施行し,術後1年の現在,再発は認めていない.臀部Epidermal cystから扁平上皮癌が発生した報告は散見されるが,感染性粉瘤の所見を示す場合,MRIを施行せずに切除する症例も多いと思われる.大きな腫瘤の場合は,MRI検査で嚢胞内壁の肥厚を確認することが重要と考えられる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.673