外傷性の胸腰椎破裂骨折に対し経皮的後方固定術を行った症例の検討

胸椎または腰椎の破裂骨折に対し経皮的に2椎間の後方固定術を行った14例を対象に損傷椎体への自家骨移植の有用性について検討した.男性10例,女性4例,平均年齢は59.6歳(43~73)であった.骨移植あり群と群に分け,性別,年齢,手術時間,出血量,周術期合併症,損傷椎体,AO分類,楔状率,局所後弯角について検討を行った.骨移植あり群は7例,群は7例であり,平均手術時間は各々114.7分,69.9分,平均出血量は146.4g,24.3gで,いずれも有意に骨移植あり群が多かった(p<0.05).術後の楔状率は骨移植あり群で80.8%,群で65.3%であり,骨移植あり群の方が保たれる傾向にあった(p=...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 3; pp. 435 - 438
Main Authors 山下, 一太, 山根, 宏敏, 日浦, 健, 中島, 武馬, 小西, 宏昭, 奥平, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.435

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Summary:胸椎または腰椎の破裂骨折に対し経皮的に2椎間の後方固定術を行った14例を対象に損傷椎体への自家骨移植の有用性について検討した.男性10例,女性4例,平均年齢は59.6歳(43~73)であった.骨移植あり群と群に分け,性別,年齢,手術時間,出血量,周術期合併症,損傷椎体,AO分類,楔状率,局所後弯角について検討を行った.骨移植あり群は7例,群は7例であり,平均手術時間は各々114.7分,69.9分,平均出血量は146.4g,24.3gで,いずれも有意に骨移植あり群が多かった(p<0.05).術後の楔状率は骨移植あり群で80.8%,群で65.3%であり,骨移植あり群の方が保たれる傾向にあった(p=0.08).矯正損失は,骨移植あり群で13.6度,群で10.9度,有意差は認めなかった(p=0.61).自家骨移植は矯正維持に有効と考えられたが,諸家の報告に比して成績不良であり,今後の対策として骨粗鬆症やAO type Bの例を避け適応を厳選することや,自家骨からHAブロックへ変更することなどが考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.435