大腿骨転子下骨折術後の感染性偽関節に対しNCB-DF plateを使用し骨癒合を得た一例

【症例】39歳男性.海岸沿線を車で走行中,交通事故を起こし,6m下の海岸砂浜に墜落し受傷.当院救命センターに搬送された.右大腿骨転子下骨折に加え,両側踵骨骨折,右尺骨肘頭骨折を認めた.受傷6日目に骨接合術施行.術後14日にリハビリ目的に転院.その後発熱を認め,血液培養でMRSA検出,再度当院整形外科に入院となった.抜釘と洗浄・病巣掻爬と抗生剤含有セメントロッドを髄腔内に挿入した.感染が沈静化後,ZimmerBiomet社Non-Contact Bridging for the Distal Femur(NCB-DF)左用を上下逆に使用,腸骨移植を行い偽関節手術施行.術後に感染の再発を認めたが,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 1; pp. 168 - 171
Main Authors 稲光, 秀明, 金澤, 和貴, 山本, 卓明, 坂本, 哲哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.168

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Summary:【症例】39歳男性.海岸沿線を車で走行中,交通事故を起こし,6m下の海岸砂浜に墜落し受傷.当院救命センターに搬送された.右大腿骨転子下骨折に加え,両側踵骨骨折,右尺骨肘頭骨折を認めた.受傷6日目に骨接合術施行.術後14日にリハビリ目的に転院.その後発熱を認め,血液培養でMRSA検出,再度当院整形外科に入院となった.抜釘と洗浄・病巣掻爬と抗生剤含有セメントロッドを髄腔内に挿入した.感染が沈静化後,ZimmerBiomet社Non-Contact Bridging for the Distal Femur(NCB-DF)左用を上下逆に使用,腸骨移植を行い偽関節手術施行.術後に感染の再発を認めたが,抗生剤の使用,数回の洗浄デブリドマンを行い,感染の沈静化を得た.受傷4年経過し経過良好である.【考察とまとめ】NCB-DFは30度多軸方向にスクリューの挿入が可能であるため,骨頭方向に多くのスクリュー挿入が可能であり,大腿骨近位部骨折後感染性偽関節に有用なインプラントである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.168