大腿骨頚部疲労骨折の3例

今回,我々は比較的稀な大腿骨頚部疲労骨折の3例を経験したので報告する.症例は全て男性で,発症時年齢は16歳から26歳.持続する股関節痛を主訴に近医を受診,3例中2例は単純X線像で明らかな異常を認めなかった.いずれの症例も基礎疾患のない少年期から青年期の男性で,転倒などの明らかな外傷機転を認めなかったが,2名は陸上部の長距離ランナー,1例は警察官で高い活動性を示していた.CT,MRI,骨シンチグラフィーにて診断を得た.全ての症例において患肢免荷による保存療法にて加療した.荷重開始許可の判断や骨癒合の判定は,単純X線像により行った.スポーツ競技もしくは労務復帰までの期間は2~3か月であった.股関節...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 144 - 147
Main Authors 前原, 光佑, 瀬戸口, 啓夫, 永野, 聡, 小宮, 節郎, 中村, 俊介, 泉, 俊彦, 石堂, 康弘, 救仁郷, 修, 栫, 博則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
Subjects
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.144

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Summary:今回,我々は比較的稀な大腿骨頚部疲労骨折の3例を経験したので報告する.症例は全て男性で,発症時年齢は16歳から26歳.持続する股関節痛を主訴に近医を受診,3例中2例は単純X線像で明らかな異常を認めなかった.いずれの症例も基礎疾患のない少年期から青年期の男性で,転倒などの明らかな外傷機転を認めなかったが,2名は陸上部の長距離ランナー,1例は警察官で高い活動性を示していた.CT,MRI,骨シンチグラフィーにて診断を得た.全ての症例において患肢免荷による保存療法にて加療した.荷重開始許可の判断や骨癒合の判定は,単純X線像により行った.スポーツ競技もしくは労務復帰までの期間は2~3か月であった.股関節痛を認める症例に対して大腿骨頚部の疲労骨折は稀であるが,鑑別診断として考慮に入れるべき疾患である.単純X線像で異常を認めない場合でも,アスリート選手等本疾患を疑う際には,MRIが非常に有用である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.144