FDG-PETで高度集積を認めた褐色脂肪腫の一例
【はじめに】褐色脂肪腫は褐色脂肪組織に由来するまれな軟部腫瘍であり,悪性軟部腫瘍,とくに脂肪肉腫との鑑別が問題となる.褐色脂肪腫はFDG-PETで高度集積を来すことが報告されており,脂肪肉腫との鑑別としてFDG-PETが有用であるとされる.【症例】40歳女性,4か月前より背部の腫瘤を自覚.MRI上,僧帽筋下に脂肪成分を含み造影効果を有する80mm大の腫瘤を認めた.FDG-PETにてSUV59.5→70.5と非常に強いFDGの集積を認めたため開放生検を施行し,褐色細胞腫と診断されたため辺縁切除術を施行した.術後2年の現在,再発もなく術後経過良好である.【考察】褐色脂肪腫は一般的にFDGの高度集積...
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| Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 462 - 465 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2019
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| Subjects | |
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| ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI | 10.5035/nishiseisai.68.462 |
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| Summary: | 【はじめに】褐色脂肪腫は褐色脂肪組織に由来するまれな軟部腫瘍であり,悪性軟部腫瘍,とくに脂肪肉腫との鑑別が問題となる.褐色脂肪腫はFDG-PETで高度集積を来すことが報告されており,脂肪肉腫との鑑別としてFDG-PETが有用であるとされる.【症例】40歳女性,4か月前より背部の腫瘤を自覚.MRI上,僧帽筋下に脂肪成分を含み造影効果を有する80mm大の腫瘤を認めた.FDG-PETにてSUV59.5→70.5と非常に強いFDGの集積を認めたため開放生検を施行し,褐色細胞腫と診断されたため辺縁切除術を施行した.術後2年の現在,再発もなく術後経過良好である.【考察】褐色脂肪腫は一般的にFDGの高度集積を来すことが報告されているが,なかにはFDGの集積が低い症例も報告されている.褐色脂肪に対するFDGの集積は外気温や薬剤による影響を受けやすく,注意が必要と考えられた. |
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| ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI: | 10.5035/nishiseisai.68.462 |