胸腰椎移行部における脊柱可橈性の調査

• Published in: 整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 2; pp. 316 - 318
• Main Authors: 久芳, 昭一, 前田, 和政, 小西, 宏昭, 吉居, 啓幸, 奥平, 毅
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 西日本整形・災害外科学会 2015
• Subjects: ロール撮影法; 強直性骨増殖症; 柔軟性; 胸腰椎移行部
• ISSN: 0037-1033; 1349-4333
• DOI: 10.5035/nishiseisai.64.316

【目的】強直性脊椎骨増殖症（ASH）に代表される靭帯骨化性の疾患では脊柱が不橈化しており，その椎体骨折では偽関節や遅発性麻痺の危険性が高いとされている．しかし，骨化病変がないにも関わらず偽関節などを発症する症例があり，それは脊柱不橈性のためではないかと考えている．本研究の目的は，胸腰椎移行部における脊柱の可橈性を調査することである．【対象と方法】2010年8月から腰椎手術を行った50歳以上の患者を対象とした．側弯症に使用されているロール撮影法を応用し，仰臥位にて自重による伸展を強制させてX線撮影を行った．また仰臥位での撮影も行い，比較した．【結果】TL角は平均7.3°で，ASHあり群9.2°，ASH群3.7°であった．両群を比較すると，ASHあり群は群に対してTL角は有意に減少していた（P＜0.05）．【考察】ASHがある症例の胸腰椎移行部の動きは，ASHがない症例に対して有位に減少していた．しかし，ASHがなくても，脊柱の不橈性を呈していた症例も存在した．