仙骨骨巨細胞腫の2例

仙骨骨巨細胞腫(以下GCT)の2例を経験したので報告する.症例1:48歳女性,左殿部から下肢痛出現.腰椎MRIにて仙骨左側に腫瘍を指摘され当科紹介.生検にてGCTの診断を得た.術前に合計4回の動脈塞栓後に腫瘍切除を行った.前方から血管を処置後,後方から骨切りし仙骨全摘を行なった(手術時間17時間13分,出血8300ml).2期的に後方再建を追加した.術後6年の現在,再発転移なく経過良好である.症例2:57歳女性,右殿部痛出現.MRIで仙骨腫瘍を疑われ紹介受診.生検にてGCTの診断を得,計4回の動脈塞栓後に腫瘍切除を行なった.後方掻爬施行し(手術時間6時間32分,出血4760ml)2期的に後方再...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 165 - 169
Main Authors 濱中, 秀昭, 川越, 秀一, 永井, 琢哉, 川野, 啓介, 黒木, 修司, 帖佐, 悦男, 比嘉, 聖, 李, 徳哲, 戸田, 雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.165

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Summary:仙骨骨巨細胞腫(以下GCT)の2例を経験したので報告する.症例1:48歳女性,左殿部から下肢痛出現.腰椎MRIにて仙骨左側に腫瘍を指摘され当科紹介.生検にてGCTの診断を得た.術前に合計4回の動脈塞栓後に腫瘍切除を行った.前方から血管を処置後,後方から骨切りし仙骨全摘を行なった(手術時間17時間13分,出血8300ml).2期的に後方再建を追加した.術後6年の現在,再発転移なく経過良好である.症例2:57歳女性,右殿部痛出現.MRIで仙骨腫瘍を疑われ紹介受診.生検にてGCTの診断を得,計4回の動脈塞栓後に腫瘍切除を行なった.後方掻爬施行し(手術時間6時間32分,出血4760ml)2期的に後方再建を追加した.術後3年で再発を認め再度腫瘍掻爬を行なった.再手術後3年の現在再発転移なく経過良好である.2例とも一時的塞栓物質による腫瘍縮小効果はなく,総酸性フォスファターゼも高値のままであった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.165