大腿骨骨膜下に発生した神経鞘腫の1例

大腿骨骨膜下に発生した非常にまれな神経鞘腫の1例を経験したので報告する.症例,73歳女性.2-3か月前より右大腿部前面に誘因なく疼痛出現した.徐々に疼痛増悪したため近医受診し,単純X線にて異常を指摘され当科紹介となった.当科初診時,右大腿前面に2×3 cmの腫瘤,圧痛を認めた.単純X線では大腿骨前面骨皮質に圧痕像を認め,MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で不均一な高信号の小腫瘤が骨膜下に認められた.骨膜軟骨腫などを疑い切除術を施行した.術中所見として腫瘍は骨膜下に存在し,骨膜ごと骨皮質から切除した.術後疼痛は消失した.病理結果は神経鞘腫であり,画像所見と合わせて骨膜下発生神経鞘腫と診断し...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 4; pp. 893 - 896
Main Authors 濱田, 哲矢, 平岡, 弘二, 松田, 光太郎, 蛭﨑, 夏奈, 志波, 直人, 長田, 周二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.893

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Summary:大腿骨骨膜下に発生した非常にまれな神経鞘腫の1例を経験したので報告する.症例,73歳女性.2-3か月前より右大腿部前面に誘因なく疼痛出現した.徐々に疼痛増悪したため近医受診し,単純X線にて異常を指摘され当科紹介となった.当科初診時,右大腿前面に2×3 cmの腫瘤,圧痛を認めた.単純X線では大腿骨前面骨皮質に圧痕像を認め,MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で不均一な高信号の小腫瘤が骨膜下に認められた.骨膜軟骨腫などを疑い切除術を施行した.術中所見として腫瘍は骨膜下に存在し,骨膜ごと骨皮質から切除した.術後疼痛は消失した.病理結果は神経鞘腫であり,画像所見と合わせて骨膜下発生神経鞘腫と診断した.骨発生の神経鞘腫はまれであり,主に下顎骨と仙骨にみられるが,渉猟しえた範囲では骨膜下の発生は下顎に発生した1例の報告を認めるのみであった.当院の症例は骨膜の知覚神経からの発生したものと考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.893