当院におけるBaker嚢腫に対する治療法
【背景】Baker嚢腫に対する手術方法は直視下・鏡視下を含め様々であるが,難易度・合併症は一長一短である.今回,我々はインジゴカルミン染色を用いた比較的容易に施行できる直視下手術を検討した.【対象】2015年5月から2016年6月まで施行した4例(女性4名・平均年齢66.7歳)【方法】腹臥位で嚢腫直上に約2cmの皮膚切開を加え,嚢腫皮膜を切開した後,関節内から嚢腫内へ流入する孔を同定.膝蓋上嚢よりインジゴカルミン染色(1A+生食60ml)を注入し,同定した孔より流入したことを確認.同孔より鈍棒を挿入し弁破壊.弁破壊した孔を4.0ナイロンで縫合した後,皮下・皮膚縫合行い手術終了とする.【結果】再...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 3; pp. 657 - 660 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.657 |
Cover
Summary: | 【背景】Baker嚢腫に対する手術方法は直視下・鏡視下を含め様々であるが,難易度・合併症は一長一短である.今回,我々はインジゴカルミン染色を用いた比較的容易に施行できる直視下手術を検討した.【対象】2015年5月から2016年6月まで施行した4例(女性4名・平均年齢66.7歳)【方法】腹臥位で嚢腫直上に約2cmの皮膚切開を加え,嚢腫皮膜を切開した後,関節内から嚢腫内へ流入する孔を同定.膝蓋上嚢よりインジゴカルミン染色(1A+生食60ml)を注入し,同定した孔より流入したことを確認.同孔より鈍棒を挿入し弁破壊.弁破壊した孔を4.0ナイロンで縫合した後,皮下・皮膚縫合行い手術終了とする.【結果】再発例はなく,感染や神経血管障害等の合併症も認めていない.【結語】同手術方法は比較的容易に施行でき,有用であると考える. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.657 |