振動障害一次検診の現状

我々は林業従事者を対象に定期的に振動障害の一次検診を行っている.今回過去のデータを解析し,林業従事者における振動障害の現状や今後の課題について検討した.一次検診の項目は1)職歴および自覚症状調査票,2)検査,3)診察で,計1638名を対象とした.検査は室温を20℃±1℃ の会場で末梢循環機能検査(皮膚温,爪圧迫)と末梢神経機能検査(痛覚,振動覚)を行い,昭和61年労働省労働基準局より示された健康管理区分に分類した.結果はA:1462名,B1:125名,B2:41名,B3:10名,C:0名であった.B2およびB3は振動障害を疑う所見はほぼなく,頚椎症,肘部管症候群,手根管症候群を疑う症例が多かっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 4; pp. 837 - 840
Main Authors 宮崎, 真一, 大山, 哲寛, 池田, 天史, 川添, 泰弘, 土田, 徹, 二山, 勝也, 横田, 秀峰, 米満, 龍史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.837

Cover

More Information
Summary:我々は林業従事者を対象に定期的に振動障害の一次検診を行っている.今回過去のデータを解析し,林業従事者における振動障害の現状や今後の課題について検討した.一次検診の項目は1)職歴および自覚症状調査票,2)検査,3)診察で,計1638名を対象とした.検査は室温を20℃±1℃ の会場で末梢循環機能検査(皮膚温,爪圧迫)と末梢神経機能検査(痛覚,振動覚)を行い,昭和61年労働省労働基準局より示された健康管理区分に分類した.結果はA:1462名,B1:125名,B2:41名,B3:10名,C:0名であった.B2およびB3は振動障害を疑う所見はほぼなく,頚椎症,肘部管症候群,手根管症候群を疑う症例が多かった.全国的には,林業よりも建設業で振動障害と診断される症例が多いとの報告がある.林業従事者では自覚症状や検査異常を認める場合,他疾患を考慮し2次検診での鑑別診断が重要と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.837