新生児聴覚スクリーニング検査がpassであった難聴児

茨城県メディカルセンターにおいて補聴器を装用した難聴児を対象に, 新生児聴覚スクリーニング検査がpassであった例について調査, 検討した。調査対象112例中60例がスクリーニングを受けていた。passであったのは10例で, 調査対象の8.9%, スクリーニングを受けていた例の16.7%を占めた。pass例は, refer例およびリスクの無いスクリーニング未検例との比較において, 初診年齢・補聴器装用開始年齢とも有意に高かった。スクリーニングがpassであった場合の捉え方について, 保護者, 乳幼児健診関係者の理解が不十分であったために難聴発見が遅れたと考えられる例があった。また, 家族性難聴...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 53; no. 3; pp. 208 - 215
Main Authors 岡田, 慎一, 小室, 久美子, 高橋, 邦明, 阿瀬, 雄治, 新井, 峻, 姫野, まどか
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2010
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.53.208

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Summary:茨城県メディカルセンターにおいて補聴器を装用した難聴児を対象に, 新生児聴覚スクリーニング検査がpassであった例について調査, 検討した。調査対象112例中60例がスクリーニングを受けていた。passであったのは10例で, 調査対象の8.9%, スクリーニングを受けていた例の16.7%を占めた。pass例は, refer例およびリスクの無いスクリーニング未検例との比較において, 初診年齢・補聴器装用開始年齢とも有意に高かった。スクリーニングがpassであった場合の捉え方について, 保護者, 乳幼児健診関係者の理解が不十分であったために難聴発見が遅れたと考えられる例があった。また, 家族性難聴のリスクがある例では, リスクよりもスクリーニングが優先されている現状であった。家族性難聴のリスク例の取り扱いやpass例に対する説明方法など, 新生児聴覚スクリーニング実施方法についての検討が必要と考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.53.208