FOLFOX療法におけるオキサリプラチン注射薬の安定性

「緒言」大腸がんは, 生活様式の変化から近年急速に患者数が増加している1). 国内においては, 2005年4月に発売されたオキサリプラチン(L-OHP)注射薬とフルオロウラシル(5-FU)注射液/レボホリナートカルシウム(l-LV)注射薬の持続点滴療法(FOLFOX)が切除不能, 転移性大腸がんに対する標準的抗がん剤治療として承認され2), 当院においては「FOLFOX6」が導入されている. FOLFOX6レジメン3)をTable1に, L-OHPの投与経路をFig.1に示した. L-OHP注射薬の添付文書では「本剤は塩化物含有溶液により分解するため, 生理食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を...

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Published in医療薬学 Vol. 32; no. 10; pp. 1027 - 1032
Main Authors 島田, 安博, 樋口, 順一, 北條, 泰輔, 牧野, 好倫, 加藤, 裕久, 鈴木, 美枝子, 大塚, 知信, 米村, 雅人, 橋本, 浩伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2006
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.32.1027

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Summary:「緒言」大腸がんは, 生活様式の変化から近年急速に患者数が増加している1). 国内においては, 2005年4月に発売されたオキサリプラチン(L-OHP)注射薬とフルオロウラシル(5-FU)注射液/レボホリナートカルシウム(l-LV)注射薬の持続点滴療法(FOLFOX)が切除不能, 転移性大腸がんに対する標準的抗がん剤治療として承認され2), 当院においては「FOLFOX6」が導入されている. FOLFOX6レジメン3)をTable1に, L-OHPの投与経路をFig.1に示した. L-OHP注射薬の添付文書では「本剤は塩化物含有溶液により分解するため, 生理食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けること. 」4)とある. また, 「L-OHP注射薬を生理食塩液で溶解すると, 溶解6時間後に84.36%までL-OHP含量が低下する. 」5)というデータもあるため, その溶解には5%ブドウ糖注射液を用いなければならない. l-LV注射薬においても, 側管より点滴投与されるL-OHP注射液とルート内で接触することから, 同様の理由で5%ブドウ糖注射液を用いて溶解することになる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.1027