環軸関節片側脱臼骨折に対し徒手的整復後後方固定術を行った1例

稀な軸椎骨折を伴った環軸関節片側脱臼骨折に対し後方固定術を行った一例を経験したので報告する.症例は71歳男性,牛小屋の中から運搬機で外へ出る際に天井の梁で左前額部を強打し受傷,頚部痛が出現し同日当院に救急搬送となった.来院時,頚部痛認め頚椎右側屈位であったが,明らかな神経学的異常所見は認めなかった.X線,CTで左環軸関節脱臼と軸椎骨折Anderson分類Type3を認めた.ガードナー牽引開始し負荷を増量し整復を試みたが整復困難であったため,翌日に全身麻酔下に徒手整復術を施行し整復位を得ることができた.4日後に後頭骨-C3後方固定術を施行し,術後経過は良好で,術後5年の現在,骨癒合も得られ不安定...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 1; pp. 154 - 156
Main Authors 馬場, 秀夫, 今井, 千恵子, 山口, 貴之, 小西, 宏昭, 三溝, 和貴, 舛本, 直哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.154

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Summary:稀な軸椎骨折を伴った環軸関節片側脱臼骨折に対し後方固定術を行った一例を経験したので報告する.症例は71歳男性,牛小屋の中から運搬機で外へ出る際に天井の梁で左前額部を強打し受傷,頚部痛が出現し同日当院に救急搬送となった.来院時,頚部痛認め頚椎右側屈位であったが,明らかな神経学的異常所見は認めなかった.X線,CTで左環軸関節脱臼と軸椎骨折Anderson分類Type3を認めた.ガードナー牽引開始し負荷を増量し整復を試みたが整復困難であったため,翌日に全身麻酔下に徒手整復術を施行し整復位を得ることができた.4日後に後頭骨-C3後方固定術を施行し,術後経過は良好で,術後5年の現在,骨癒合も得られ不安定性も認めていない.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.154