治療に難渋した放射線照射後骨盤輪骨折の2例

【目的】治療に難渋した放射線照射後の骨盤輪骨折を2例経験したので報告する.【症例】いずれも子宮癌に対して放射線照射療法を受けた既往がある.症例1は78歳女性で75歳時に転倒し脆弱性骨盤輪骨折の診断で保存治療が行われていたが,症状改善ないため当科紹介となった.前方からの皮下創内固定および後方のスクリューによる内固定を行ったが術後7ヶ月でインプラント感染を生じた.症例2は78歳女性で75歳時に重量物挙上の際に受傷,保存治療が行われるも改善認めず当科紹介.恥骨結合のプレート固定および後方からプレートでの内固定を行うも骨癒合獲られず,再手術を行ったが感染性偽関節となった.2症例とも恥骨結合部の感染を併...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 823 - 825
Main Authors 有村, 仁志, 後生川, 輝, 安樂, 喜久, 平井, 泰博, 立石, 慶和, 安藤, 卓, 大野, 貴史, 内田, 裕己, 上川, 将史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.823

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Summary:【目的】治療に難渋した放射線照射後の骨盤輪骨折を2例経験したので報告する.【症例】いずれも子宮癌に対して放射線照射療法を受けた既往がある.症例1は78歳女性で75歳時に転倒し脆弱性骨盤輪骨折の診断で保存治療が行われていたが,症状改善ないため当科紹介となった.前方からの皮下創内固定および後方のスクリューによる内固定を行ったが術後7ヶ月でインプラント感染を生じた.症例2は78歳女性で75歳時に重量物挙上の際に受傷,保存治療が行われるも改善認めず当科紹介.恥骨結合のプレート固定および後方からプレートでの内固定を行うも骨癒合獲られず,再手術を行ったが感染性偽関節となった.2症例とも恥骨結合部の感染を併発し,最終追跡時にも骨折部の骨癒合は得られていない.【考察】放射線照射後の骨盤輪骨折は多発骨折や偽関節を起こしやすいとされ,当科でも治療に難渋した.観血的加療の適応に関しては慎重を要する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.823