腰椎前側方固定術後のインストゥルメント周囲感染の治療経験

症例は85歳,男性.近医にて腰部脊柱管狭窄症,腰椎辷り症に対しL4/5の腰椎前外側椎体間固定術(以下,OLIF)を施行された.術直後に発熱と腰痛が出現し,画像検査にてインストゥルメント周囲感染と診断され,後方からの洗浄デブリードマンや固定延長を行うも感染コントロール不良なために術後6か月で当科紹介となった.当科にてケージ抜去・前方掻爬自家骨移植術・後方固定術を施行した.その後,起炎菌は同定できなかったが長期の抗生剤内服を併用したことで感染は沈静化し疼痛も消失しADLも改善した.脊椎インストゥルメンテーション手術後の感染の治療は感染制御と脊椎安定性の維持の2つの柱のバランスを踏まえて行う必要があ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 749 - 753
Main Authors 黒木, 智文, 黒木, 修司, 永井, 琢哉, 濱中, 秀昭, 比嘉, 聖, 帖佐, 悦男, 鮫島, 央, 日髙, 三貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.749

Cover

More Information
Summary:症例は85歳,男性.近医にて腰部脊柱管狭窄症,腰椎辷り症に対しL4/5の腰椎前外側椎体間固定術(以下,OLIF)を施行された.術直後に発熱と腰痛が出現し,画像検査にてインストゥルメント周囲感染と診断され,後方からの洗浄デブリードマンや固定延長を行うも感染コントロール不良なために術後6か月で当科紹介となった.当科にてケージ抜去・前方掻爬自家骨移植術・後方固定術を施行した.その後,起炎菌は同定できなかったが長期の抗生剤内服を併用したことで感染は沈静化し疼痛も消失しADLも改善した.脊椎インストゥルメンテーション手術後の感染の治療は感染制御と脊椎安定性の維持の2つの柱のバランスを踏まえて行う必要がある.しかし,エビデンスに基づいた治療が確立されていないのが現状である.脊椎インストゥルメント周囲感染について最近の知見を踏まえ当院での治療方針に関して検討したので報告する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.749