Double crushを呈していた橈尺骨骨幹部骨折後尺骨神経障害の1例

症例は39歳,女性,ミニバレー中に右橈尺骨骨幹部骨折,上腕骨内側上顆裂離骨折を受傷し,前医で保存的に加療を受けた.骨癒合後に可動域訓練を開始したが,尺骨神経領域の痺れが出現し,当科を紹介受診した.可動域制限は軽度であったが,肘部管症候群の所見を呈していた.単純X線では,上腕骨内側上顆裂離骨折および橈尺骨の変形癒合を認めた.肘部管および骨折部周囲での尺骨神経の絞扼を疑い,尺骨神経皮下前方移行術と骨折部周囲の尺骨神経の剥離を行った.肘部管および橈尺骨骨幹部において尺骨神経の絞扼を呈していた.術後経過は良好であった.症状が出現した際には早期の神経剥離術が必要であり,外傷部位が複数に及ぶ場合は,各々の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 4; pp. 674 - 676
Main Authors 関本, 朝久, 谷口, 昇, 藤田, 貢司, 田島, 卓也, 山口, 奈美, 森田, 雄大, 帖佐, 悦男, 長澤, 誠, 石田, 康行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.674

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Summary:症例は39歳,女性,ミニバレー中に右橈尺骨骨幹部骨折,上腕骨内側上顆裂離骨折を受傷し,前医で保存的に加療を受けた.骨癒合後に可動域訓練を開始したが,尺骨神経領域の痺れが出現し,当科を紹介受診した.可動域制限は軽度であったが,肘部管症候群の所見を呈していた.単純X線では,上腕骨内側上顆裂離骨折および橈尺骨の変形癒合を認めた.肘部管および骨折部周囲での尺骨神経の絞扼を疑い,尺骨神経皮下前方移行術と骨折部周囲の尺骨神経の剥離を行った.肘部管および橈尺骨骨幹部において尺骨神経の絞扼を呈していた.術後経過は良好であった.症状が出現した際には早期の神経剥離術が必要であり,外傷部位が複数に及ぶ場合は,各々の部位での神経の確認が必要と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.674