一次修復不能な広範囲腱板断裂で偽性麻痺肩に対する鏡視下上方関節包再建術の術後成績

【はじめに】一次修復不能な広範囲腱板断裂で偽性麻痺肩に対する鏡視下上方関節包再建術(以下ASCR)を行ったので,その治療成績を報告する.【対象と方法】2015年2月から2016年5月までにASCRを行った12肩(男性7肩,女性5肩)平均年齢72.5歳(67~80歳)を対象とした.術後平均観察期間は18.2ヶ月(13~28ヶ月)であった.可動域,MRI所見,JOAスコアを術前後で比較検討した.【結果】屈曲は術前平均52.5度が術後平均120.0度に,外転は術前平均51.2度が術後平均119.1度に改善した(p<0.05).外旋は術前平均27.5度が術後平均30.0度と有意な改善は得られなかった....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 559 - 560
Main Authors 合志, 光平, 牟田口, 滋, 佐々木, 大, 山本, 俊策, 二之宮, 謙一, 坂本, 悠磨, 横山, 信彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.559

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Summary:【はじめに】一次修復不能な広範囲腱板断裂で偽性麻痺肩に対する鏡視下上方関節包再建術(以下ASCR)を行ったので,その治療成績を報告する.【対象と方法】2015年2月から2016年5月までにASCRを行った12肩(男性7肩,女性5肩)平均年齢72.5歳(67~80歳)を対象とした.術後平均観察期間は18.2ヶ月(13~28ヶ月)であった.可動域,MRI所見,JOAスコアを術前後で比較検討した.【結果】屈曲は術前平均52.5度が術後平均120.0度に,外転は術前平均51.2度が術後平均119.1度に改善した(p<0.05).外旋は術前平均27.5度が術後平均30.0度と有意な改善は得られなかった.JOAスコアは術前47.5点から術後70.7点と有意に改善した(p<0.05).術後屈曲90度以上の改善が得られなかったのは2例であり,いずれも立位での浜田分類グレード3であった.【結論】ASCRは良好な機能回復を認め,患者の満足度も高かった.良好な術後成績獲得のため適応を慎重に検討する必要があると思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.559