保存療法を行った上腕骨骨頭骨折の2例

併存症のある高齢者に発生した上腕骨骨頭骨折に対して保存療法を行った2例について報告する.【症例1】74歳,女性.自宅で転倒,右肩を強打し受傷.既往に心房細動があり,保存療法を選択した.スリング・バストバンド固定を6週,6週以降スリング固定,仮骨確認後の8週より肩関節可動域(ROM)訓練を開始.受傷後5カ月,単純X線像で変形癒合を認め,受傷後30カ月のROMは屈曲140度,外旋60度,内旋L1,JOA scoreは86点であった.【症例2】75歳,女性.段差に躓き,右腕で体重を支えながら転倒し受傷.コントロール不良の糖尿病があり保存療法を選択.外転装具固定を8週,仮骨確認後の10週よりROM訓練...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 1; pp. 144 - 147
Main Authors 呉屋, 五十八, 西田, 康太郎, 当真, 孝, 山口, 浩, 森山, 朝裕, 吉川, 誉士郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.144

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Summary:併存症のある高齢者に発生した上腕骨骨頭骨折に対して保存療法を行った2例について報告する.【症例1】74歳,女性.自宅で転倒,右肩を強打し受傷.既往に心房細動があり,保存療法を選択した.スリング・バストバンド固定を6週,6週以降スリング固定,仮骨確認後の8週より肩関節可動域(ROM)訓練を開始.受傷後5カ月,単純X線像で変形癒合を認め,受傷後30カ月のROMは屈曲140度,外旋60度,内旋L1,JOA scoreは86点であった.【症例2】75歳,女性.段差に躓き,右腕で体重を支えながら転倒し受傷.コントロール不良の糖尿病があり保存療法を選択.外転装具固定を8週,仮骨確認後の10週よりROM訓練を開始した.受傷後16カ月,単純X線像で変形癒合を認め,受傷後16カ月のROMは屈曲120度,外旋30度,内旋L3,JOA scoreは83点であった.【結語】2例とも比較的良好な結果が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.144