軽度・中等度難聴児補聴器購入支援事業の検討

要旨: 重度の聴力障害児において公的に補聴器支援がされていたが, 軽度・中等度難聴児においては財政的な支援が今まではされていなかった。そこで, 山形県では2014年4月から18歳未満の軽度・中等度難聴児において補聴器の購入支援支援が行われるようになった。補聴器購入の2/3を公的に補助することで, 補聴器を購入しない保護者がより早期に補聴器を購入することを促し, 補聴器装用により難聴児の言語習得や生活能力, 会話能力の向上を期待し行われてきた。今回, この支援事業で補聴器を交付された症例を対象に, 難聴発見の時期, 申請時期, 申請理由, 補聴器の装用状況について検討を行った。2014年4月から...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 63; no. 4; pp. 242 - 249
Main Authors 窪田, 俊憲, 新川, 智佳子, 松井, 祐興, 欠畑, 誠治, 伊藤, 吏, 米澤, 裕美, 千葉, 寛之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 30.08.2020
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.63.242

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Summary:要旨: 重度の聴力障害児において公的に補聴器支援がされていたが, 軽度・中等度難聴児においては財政的な支援が今まではされていなかった。そこで, 山形県では2014年4月から18歳未満の軽度・中等度難聴児において補聴器の購入支援支援が行われるようになった。補聴器購入の2/3を公的に補助することで, 補聴器を購入しない保護者がより早期に補聴器を購入することを促し, 補聴器装用により難聴児の言語習得や生活能力, 会話能力の向上を期待し行われてきた。今回, この支援事業で補聴器を交付された症例を対象に, 難聴発見の時期, 申請時期, 申請理由, 補聴器の装用状況について検討を行った。2014年4月から2019年3月まで当科で支援事業を利用した57例につき後方視的検討を行った。男児34例, 女児23例であり, 年齢は0.4-16.5歳 (平均6.7歳) であった。身障者非該当で自費では補聴器が非導入であった19例において補聴器の新規導入となった。従って, 補聴器購入支援事業は軽度・中等度難聴児に対して有用であると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.63.242