冠動脈バイパス手術後の発作性心房細動発生の予測―P波加算平均心電図による検討
【目的】冠動脈バイパス術 (CABG) 術前のP波加算平均心電図 (PSAE) から術後の心房細動発生の予測が可能であるかを, 術前, 術中のその他の要因とあわせて検討した.【方法】単独CABGを施行した52名を対象とした.PSAEより, filtered P duration (FPD) を求め, これを術後1ヵ月以内のAF発症の有無によりAF群, non AF群として比較した.また, 術前の左室駆出率, 左房径, β遮断剤服用の有無, グラフトの数, 人工心肺作動時間, 右冠動脈狭窄の有無でも両群で比較した.【結果】術後にAFを発症したのは16名 (30.7%) で, AF群ではnon A...
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          | Published in | 心電図 Vol. 22; no. 4; pp. 250 - 255 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本不整脈心電学会
    
        2002
     日本心電学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0285-1660 1884-2437  | 
| DOI | 10.5105/jse.22.250 | 
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| Summary: | 【目的】冠動脈バイパス術 (CABG) 術前のP波加算平均心電図 (PSAE) から術後の心房細動発生の予測が可能であるかを, 術前, 術中のその他の要因とあわせて検討した.【方法】単独CABGを施行した52名を対象とした.PSAEより, filtered P duration (FPD) を求め, これを術後1ヵ月以内のAF発症の有無によりAF群, non AF群として比較した.また, 術前の左室駆出率, 左房径, β遮断剤服用の有無, グラフトの数, 人工心肺作動時間, 右冠動脈狭窄の有無でも両群で比較した.【結果】術後にAFを発症したのは16名 (30.7%) で, AF群ではnon AF群に比し, 年齢が高く, FPDが延長していたが, その他のパラメーターで有意差はみられなかった.また, 多変量解析においても年齢, FPDは独立した予測因子であった.【結語】術前のPSAEは術後のAFを予知する指標として有用であった.また加齢もAF発生の要因であると思われた. | 
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| ISSN: | 0285-1660 1884-2437  | 
| DOI: | 10.5105/jse.22.250 |