Pulseless pink handを伴う小児上腕骨顆上骨折に対し観血的手術を行った1例

2歳,女児.1mの高さの遊具から転落し,Gartland分類3型の右上腕骨顆上骨折を受傷.初診時pulseless pink handを認めた.神経障害の評価は困難であった.鎮静下で徒手整復を行ったが,整復位保持は不能であった.入院後上腕シーネ固定し,翌朝手術を施行した.エレバトリウムを用いて整復,pinningを行い整復位は良好であったが,橈骨動脈は触知せず,エコーで骨折部での血管途絶を認めた.肘関節前方アプローチで血管展開を追加し,上腕筋・上腕動静脈の骨折部への嵌入を認めた.嵌入を解除後も橈骨動脈は触知不可であったが,エコーにて骨折部以遠で拍動の改善を認めたため,血行再建は行わず経過観察と...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 1; pp. 36 - 40
Main Authors 仲宗根, 素子, 西田, 康太郎, 宮田, 佳英, 水田, 康平, 小浜, 博太, 高江洲, 美香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.36

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Summary:2歳,女児.1mの高さの遊具から転落し,Gartland分類3型の右上腕骨顆上骨折を受傷.初診時pulseless pink handを認めた.神経障害の評価は困難であった.鎮静下で徒手整復を行ったが,整復位保持は不能であった.入院後上腕シーネ固定し,翌朝手術を施行した.エレバトリウムを用いて整復,pinningを行い整復位は良好であったが,橈骨動脈は触知せず,エコーで骨折部での血管途絶を認めた.肘関節前方アプローチで血管展開を追加し,上腕筋・上腕動静脈の骨折部への嵌入を認めた.嵌入を解除後も橈骨動脈は触知不可であったが,エコーにて骨折部以遠で拍動の改善を認めたため,血行再建は行わず経過観察とした.術後2日で橈骨動脈の触知が可能となり,術後3日で上腕ギプス固定とし,退院とした.術後2か月で骨癒合が得られ,Baumann角80°,carrying angle 4°,tilting angle 46°であった.術後3か月,伸展0°/屈曲140°,回内90°/回外90°で神経障害はなく,橈骨動脈の拍動に左右差は認めなかった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.36