肝移植患者における血中ミコフェノール酸トラフ値測定の臨床意義に関する検討
「緒言」臓器移植医療において, カルシニューリン阻害薬であるシクロスポリン(CYA)およびタクロリムス(TAC)は, 血中薬物濃度モニタリング(TDM)に基づいた投与設計が必須とされる治療薬であり, 免疫抑制治療の確立に寄与するとともに移植治療の進展に多大な役割を果たしてきた1,2). 肝移植領域においても, 従来TACとステロイド剤を用いた免疫抑制療法が基本治療とされてきたが, 肝移植において対象患者が小児から大人へ拡大される中, 拒絶に対するTACの免疫抑制効果が不十分な症例や, 腎障害などの副作用出現症例, あるいはC型肝炎ウイルス罹患症例でのステロイド剤使用制限等の問題が顕在化し, 新...
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          | Published in | 医療薬学 Vol. 36; no. 6; pp. 367 - 374 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人日本医療薬学会
    
        2010
     日本医療薬学会  | 
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| ISSN | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI | 10.5649/jjphcs.36.367 | 
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| Summary: | 「緒言」臓器移植医療において, カルシニューリン阻害薬であるシクロスポリン(CYA)およびタクロリムス(TAC)は, 血中薬物濃度モニタリング(TDM)に基づいた投与設計が必須とされる治療薬であり, 免疫抑制治療の確立に寄与するとともに移植治療の進展に多大な役割を果たしてきた1,2). 肝移植領域においても, 従来TACとステロイド剤を用いた免疫抑制療法が基本治療とされてきたが, 肝移植において対象患者が小児から大人へ拡大される中, 拒絶に対するTACの免疫抑制効果が不十分な症例や, 腎障害などの副作用出現症例, あるいはC型肝炎ウイルス罹患症例でのステロイド剤使用制限等の問題が顕在化し, 新規免疫抑制剤の必要性が望まれていた3,4). 従来より使用されてきた代謝拮抗剤アザチオプリンに代わる薬物として開発されたミコフェノール酸モフェチル(MMF, セルセプト(R), 中外製薬(株))は, 1999年に国内で保険適応が認められ腎移植領域で広く使用されている. | 
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI: | 10.5649/jjphcs.36.367 |