もの忘れを主訴に外来受診した患者の認知機能に関する研究

MCIがADの前段階として注目され、ADへの移行に関する研究が進められている。本研究では、コンピュータ化された認知機能測定ツールであるCogHealthを用いて45名のMCI例の認知機能を測定し、CogHealthの測定結果を海馬血流量およびMMSEの得点と比較検討した。また、対象者のCogHealthによる認知機能測定項目の値を健常群の値と比較検討した。その結果、健常群との比較で、MMSE低得点群においてCogHealthの測定項目である作動記憶の反応の正確さとエピソード記憶の反応速度の値が有意に低下(p<0.01)していたことから、作動記憶の正確さの低下が主たるものであることが示され...

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Published in杏林医学会雑誌 Vol. 45; no. 2; pp. 51 - 65
Main Author 大澤, 亜貴子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 2014
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.45.51

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Summary:MCIがADの前段階として注目され、ADへの移行に関する研究が進められている。本研究では、コンピュータ化された認知機能測定ツールであるCogHealthを用いて45名のMCI例の認知機能を測定し、CogHealthの測定結果を海馬血流量およびMMSEの得点と比較検討した。また、対象者のCogHealthによる認知機能測定項目の値を健常群の値と比較検討した。その結果、健常群との比較で、MMSE低得点群においてCogHealthの測定項目である作動記憶の反応の正確さとエピソード記憶の反応速度の値が有意に低下(p<0.01)していたことから、作動記憶の正確さの低下が主たるものであることが示され、また、神経伝達に時間がかかっていることが示唆された。そして、MMSE高得点群においても、CogHealthの測定項目である作動記憶の反応の正確さとエピソード記憶の反応速度の値が健常群に比べて有意に低下(p<0.01)していたことから、CogHealthはより早期の認知機能低下を発見できると思われた。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.45.51