耳鳴再訓練療法 (TRT) の補助療法としての薬物治療の短期治療成績
要旨 : 耳鳴治療の中心は教育的カウンセリングと音響療法を組み合わせた TRT (tinnitus retraining therapy) である。薬物治療については否定的な見解が多い。今回耳鳴を自律神経発作と考えクロナゼパム 0.25mg を就寝前投与し治療効果を検討した。対象は2021年9月から2022年3月までの6カ月間の間に当院を受診し補助療法としての薬物治療を希望した36例のうち治療前後に質問紙を行えた20例。治療は教育的カウンセリングを行い希望者に同日に補助療法としてクロナゼパム 0.25mg 就寝前一回内服処方を行った。THI (tinnitus handicap invento...
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| Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 67; no. 2; pp. 146 - 150 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.04.2024
日本聴覚医学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
| DOI | 10.4295/audiology.67.146 |
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| Summary: | 要旨 : 耳鳴治療の中心は教育的カウンセリングと音響療法を組み合わせた TRT (tinnitus retraining therapy) である。薬物治療については否定的な見解が多い。今回耳鳴を自律神経発作と考えクロナゼパム 0.25mg を就寝前投与し治療効果を検討した。対象は2021年9月から2022年3月までの6カ月間の間に当院を受診し補助療法としての薬物治療を希望した36例のうち治療前後に質問紙を行えた20例。治療は教育的カウンセリングを行い希望者に同日に補助療法としてクロナゼパム 0.25mg 就寝前一回内服処方を行った。THI (tinnitus handicap inventory) 合計点は治療前平均 (±標準偏差) 49.2±20.4が治療後31.4±24.7となった (P<0.05)。改善の基準を THI が20点以上低下, または最終 THI が16点以下 (軽症) とすると改善率は55% (11/20) であった。TRT の補助療法としてのクロナゼパムは耳鳴苦痛度の高い症例に選択肢の一つとして考えて良いと思われた。TRT の補助療法としてのクロナゼパムは耳鳴苦痛度の高く睡眠障害, 不安を認める症例に選択肢の一つとして考えて良いと思われる。 |
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| ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
| DOI: | 10.4295/audiology.67.146 |