重症脳卒中救急における治療介入のあり方に関するステートメント
「要旨:」重症脳卒中は一刻も早い治療介入が必要であり, 救急搬送時には, 患者や家族等が積極的な治療を希望しているとみなされ, 治療が行われる. 一部の重症例では, 治療を行っても寝たきりや死亡といった転帰不良となる可能性があるが, 本人の意思が明確でない状態においては, 治療介入の適応は, 現場の医療・ケアチームの判断に委ねられる. 日本脳卒中学会では, 医療機関や医療従事者のこのような場合の判断を支援するため, 本ステートメントを作成し, 以下の3段階のプロセスによる治療介入決定を推奨する. 医療機関は, 転帰不良が予測される重症脳卒中救急の患者で, 本人の意思が不明確な場合, まず, (...
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| Published in | 脳卒中 Vol. 42; no. 5; pp. 435 - 442 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2020
日本脳卒中学会 |
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| ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI | 10.3995/jstroke.10833 |
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| Summary: | 「要旨:」重症脳卒中は一刻も早い治療介入が必要であり, 救急搬送時には, 患者や家族等が積極的な治療を希望しているとみなされ, 治療が行われる. 一部の重症例では, 治療を行っても寝たきりや死亡といった転帰不良となる可能性があるが, 本人の意思が明確でない状態においては, 治療介入の適応は, 現場の医療・ケアチームの判断に委ねられる. 日本脳卒中学会では, 医療機関や医療従事者のこのような場合の判断を支援するため, 本ステートメントを作成し, 以下の3段階のプロセスによる治療介入決定を推奨する. 医療機関は, 転帰不良が予測される重症脳卒中救急の患者で, 本人の意思が不明確な場合, まず, (1)発症前の日常生活自立度や患者自身の意思を家族等より聴取する. 次に, (2)予想される予後についての情報を家族等へ提供する. その上で, (3)家族等が治療介入の可否や内容を選択する機会をつくり, 家族等の選択を尊重し, 同意を得て, 治療方針を決定する. |
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| ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI: | 10.3995/jstroke.10833 |