ワンタキソテール®に含まれるアルコールの影響に関する検討

「緒言」ドセタキセルは乳がん, 非小細胞肺がん, 胃がん, 頭頸部がん, 卵巣がん, 子宮体がん, 食道がん, 前立腺がんなど様々ながん腫に対して適応を取得している. 1) 従来のドセタキセル製剤であるタキソテール(R)(TXT)は, ポリソルベート80を可溶化剤として使用した原液, さらに95%エタノールを主成分とする添付溶解液の2つから構成されている. TXTの調製は, 通常この添付溶解液に混和し, その後均一な液体が得られるまでに数分間の放置が必要である2)など, 時間を要する作業であった. その問題点を改善するため発売されたワンタキソテール(R)(OTX)は, 無水エタノールを予め含有...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 12; pp. 780 - 784
Main Authors 檜垣, 健二, 宮森, 伸一, 阿部, 圭輔, 菅原, 隆文, 伊藤, 充矢, 二宮, 基樹, 野間, 純, 大谷, 彰一郎, 岩本, 康男, 阪田, 安彦, 雑賀, 隆史, 赤木, 恵, 開, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.12.2012
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.38.780

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Summary:「緒言」ドセタキセルは乳がん, 非小細胞肺がん, 胃がん, 頭頸部がん, 卵巣がん, 子宮体がん, 食道がん, 前立腺がんなど様々ながん腫に対して適応を取得している. 1) 従来のドセタキセル製剤であるタキソテール(R)(TXT)は, ポリソルベート80を可溶化剤として使用した原液, さらに95%エタノールを主成分とする添付溶解液の2つから構成されている. TXTの調製は, 通常この添付溶解液に混和し, その後均一な液体が得られるまでに数分間の放置が必要である2)など, 時間を要する作業であった. その問題点を改善するため発売されたワンタキソテール(R)(OTX)は, 無水エタノールを予め含有しており, プレミックスを必要としない製剤である. この改善により, OTXの調製時間はTXTと比較し約7分短縮できるとされている. 3) しかし, OTXはTXTと比較し2倍以上のアルコールを予め含有しており(表1), OTX投与患者はアルコールによる影響が懸念される.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.38.780